みなさん、こんにちは。レンズ大好きisofss(イソフス)です。前回に続き、初めてレンズを選ぶときにお役に立つ(かもしれない)豆知識シリーズの後編です。この豆知識を知っておけば、後になって「このレンズじゃなかった!」という悲劇を少しでも回避できるかもしれません!後編はどちらかというと好み付加価値にまつわるetc…ですので、基本的なレンズ選びの柱は前編をご参照ください。それではレンズ沼にハマらない為の豆知識・後編参ります!↓↓↓(1と2は前編なので今回は3から始まります。)

3:F値ってそんなに大事なの?

F値を図解!

大事です!

F値とは、絞りの値のこと・レンズの口径比のことです。簡単に言うとF値が小さいほど光を沢山取り込めます。そしてレンズ毎に光を取り込める最大の値(開放F値)が決まっています。

ボケが重要なのではない。

F値開放で撮りたい!
ボケている。だから何だというのだ??

F値が小さいほどボケの強い写真を撮ることができます。我々はボケが大好きな日本人。bokehと書けば海外でも通用するそうですね。最近ではスマホでもデジタル的にボケを作り出すこともできますが、やはりレンズそのものが光学的に描き出すネイティブのボケに勝るものはありません。誰もが、明るいレンズを買ったら兎にも角にもボケ写真を量産したくなるものです。とはいえ、なんでもボカせばよいというものではないのもまた事実。F値の本質はボケにあらず、なのです。

F値は「選択肢」である。

写真には写真の明るさ露出といいます)をコントロールする3つの要素があります。3つしかありません。これさえ覚えてしまえば写真がグッと身近になります。その3つとはカメラとレンズに依存します。↓↓↓

  1. シャッタースピード(カメラ側)
  2. ISO感度(カメラ側)
  3. 絞り=F値(レンズ側)

↑↑↑ここでF値が出てきます。確かに(上記の通り)F値はボケの強さを決める指標でもありますが、正しく言うとそれはピントが合っている範囲(被写界深度)を決める指標です。ここで思い出して頂きたいのがトレードオフの原則です。(トレードオフについては前回の記事を参照。)写真は適切な明るさでなければなりませんね。明るすぎても暗すぎても写真になりません。これはレンズを通してカメラのセンサーに光を適切に届けるという意味です。F値を開放に近づけて光を沢山取り込むとシャッタースピードを速めて明るさを調節します。そうすると被写界深度は浅くなり、ピントが合っていない部分のボケは強くなります。逆も然りで、F値を絞り込んで光の量を減らすとシャッタースピードを遅くして写真を明るくしなければなりません。そうすると被写界深度は深くなり、より全体にピントが合うようになります。

  • シャッタースピード=ブレを抑える値
  • ISO感度=ノイズを抑える値
  • F値=ピント幅を決める値

つまりF値が小さいレンズ(明るいレンズ)ほど、状況にあった選択肢を選べるという事です。  F値の最大開放値はレンズ毎に決まっており、開放F3.5のレンズはどんなに頑張ってもF2にはなりません。でもF2のレンズは絞ればF3.5になります。

F値の本質は「選択肢」という理由はここにあります。例えば夜の屋外などの暗い環境の時、 開放F4のレンズではシャッタースピードを遅くするかISO感度を上げるかして明るさを担保しなければなりません。シャッタースピードを遅くすると手振れや被写体ブレの原因になります。ISO感度を必要以上に上げるとノイズが写真に表れます。もしも開放F2のレンズであれば実は4倍の光を取り込めます。シャッタースピードを4倍早くする、もしくはISO感度を1/4減感させることが出来ます。

明るいレンズに越したことはないが…。

こういった理由で(私個人の見解ですが)F値は小さいに越したことはないと思います。F値はシャッタースピードとISO感度に直接影響を与えます。しかしですね、開放F値が小さい(つまり明るい)レンズは価格が高いのです。 また、ズームレンズはF値を小さくしにくいレンズです。ズームすると開放F値が変わってしまう傾向もあります。人生とは厳しいものです。

買う前にそのレンズの開放F値を知るべし!

これだけ長文になっておいて豆知識とは言い難いですが、大切なのはレンズを買う前にそのレンズの開放F値を知っておくことだと思います。露出の選択肢がどれくらい写真ライフに影響を与えるのかを知るのはその後です。いつか「あれ?限界を感じるぞ…。」となっても「あ、これはレンズの限界なんだな。」と咀嚼できれば御の字です。一番怖いのは「限界だ。訳わからん。写真楽しくない…。」となること。写真を撮らなくなることが最大の散財ですから。そうならない為の豆知識としてお納めいただければ幸いです。

イルコさんの分かりやすい動画をご参照ください。

※蛇足。 F値が小さくなるほどレンズの描画性能は下がります。逆にF値を大きくして絞って使うと画質は上がります。それに抗って小さいF値でも最高の描画性能を突き詰めようとする変態レンズ(例えばSigma)もありますが、そうすると今度はレンズがデカく重くなります。こんなところにまでトレードオフの原則はつきまといます(;´∀`)汗。もうこうなると何を買っていいか分からないですね。写真とはつまり、数多ある選択肢をトレードしながらバランスを取る行為なのです。一手間かける面白さがものつくりであり、楽しみでもあります。その苦労の先にスマホにはない写真品質が待っています。

4:レンズの大きさ・重さ。

レンズは大きくて重いほど描写性能が良いです。なぜならレンズの中に高級ガラスが詰まっているからです。上記のF値についても同じで、明るいレンズほど巨大化します。ここでもやはりトレードオフの原則が発動します。カメラを持ち出して外出しやすいのは間違いなく小さくて軽いレンズです。

あなたならどちらを選びますか??どちらが大切ですか??

  • 大きくて重いけど、性能の高いレンズ
  • 小さくて軽いけど、限界のあるレンズ

しかし「いいや!小さいけど高性能なレンズがいいんだ!」という欲張りさんに朗報があります!その要望を叶えるのは単焦点レンズです。ズームレンズはその機構ゆえにどうしても大きく重くなります。ズーム機能を捨てれば最高の画質が手に入ります。さぁ、どっちを選びますか??

※蛇足。大きくて重い単焦点だったらどうなるかというと化け物クラスの解像度になります。レンズメーカーのSigmaさんが出しているArtラインのレンズがそれです。振り切るとはこういうことですね。

デカくて重くて最高画質の単焦点もあります。

5:見た目の大切さ。

X-T10

見た目は大切ですよ~っ!かっこいい正義です。かわいい正義です。個人の好みも左右します。大切なのはそのレンズが好きな形かどうか!です。だって、好きなレンズだったらどんどん持ち出して撮りに行きたくなりますから。

直付けはバランスが悪い。
なんかちょっと不格好…。

レンズフードを付けた時や、ストロボなどのアクセサリーを付けた時の全体のバランスも大切ですね。自分自身で内心「あれ?」って思っている時は他の人は「ダサい…」と思っているものです。

↑ずいぶん昔の本で(しかも写真に全く関係ないですけど)見た目は嘘をつかないってことが書いてあったのを思い出しました。著者は漫画家さんです。漫画家って人の表情を描くプロじゃないですか。人間観察のプロがそう言われるのであればきっとそうなのでしょう。見た目1つでモチベーションが上がるのであれば(写欲が上がるのであれば)使わない手はないのです。

6:手振れ補正はマストです。

最近は標準装備となった手振れ補正機構。ここで言う手振れ補正とは、データをトリミングしてデジタル的に補正する電子補正ではなく、カメラ本体やレンズ内の機構を物理的に動かしてブレを相殺する手振れ補正のことです。

経験上手振れ補正は必須です。絶対あった方がいいです。

単に1.手振れをなかったことにしてくれるという意味だけではなく、2.遅いシャッタースピードを使った表現が出来るということです。それは3.不必要にISO感度を上げなくてよいという意味でもあります。

三脚なくても手振れ補正があれば撮れる。
暗い状況で三脚がいらない。

もちろん手振れ補正に頼りっきりになるのではなく、そもそもブレないように脇を閉めてカメラを構える技術も鍛えましょう。また、手振れ補正でも被写体ブレまでは止められないことも覚えておきましょう。要は使い方です!

7:付加価値のあるスイッチ類。

SEL70200G軽いぞこれ!
左手で操作できるスイッチ類。

レンズ側面にスイッチが用意されているものもあります。カメラを構えた時にレンズ側に添えている左手で押すボタンです。このスイッチの役割を自分でカスタムできるレンズもあります。例えば、このボタンに瞳AFフォーカスON機能を割り当てると撮影時に瞬時にピントを合わせることが出来るようになる!などの恩恵を享受できます。もし、買いたい候補のレンズにこのボタンがあればラッキーです!フル活用しましょう。

8:絞り羽の枚数。

絞り羽はレンズによって決まっています。概ね7枚のものがおおいです。枚数が多くなるとボケがよりに近くなります。

NIKKORの玉ボケ集

↑上のサンプルですが、50mm(上)と24-70mm(右下)が9枚、55mm(左下)が6枚です。好みの分野ですが、あらかじめ買いたいレンズの絞り羽枚数をチェックしておくのもおススメです。

9:収差とは何か?

初めてレンズを買う時にはそれほど意識しない収差。いずれ気になるかもしれない収差。レンズはガラスです。光はガラスを通過すると色の周波数ごとに違う方向に屈折します。レンズは周辺になる程画質が劣化します。これが収差です。各メーカーはこの収差を可能な限り0にもっていくように頑張ってくれていますが、価格の安いレンズやズームレンズ全般はこの収差を解決しきれていない場合があります。

24mmデフォルト
なんか歪んでる…。

収差にもいろいろな種類があります。代表的な収差は↑上のような歪曲収差です。なんか歪んでますね。でもほとんどの収差はカメラの設定やパソコンで行うデジタル現像でボタン一つでデジタル補正できます。気なりだしたらレンズ買えなくなりますので割り切りましょう。逆にですよ、素の状態で収差が極力抑えられているレンズは素晴らしいレンズってことです!選んだレンズがそんなレンズだった時は自信を持ってドヤ顔しましょう。

10:MTF曲線で自己満足!

最後です! よくレンズメーカーのHPでMTF曲線というグラフを見かけませんか? このグラフはレンズの性能を可視化したものです。これの簡単な見方を書いておきます↓↓↓

MTF曲線
NikonのHPより参照

だいたい上にある線がコントラストの描写力。下にある線が解像力です。グラフの縦軸が描写性能横軸の左がレンズ中央で、右に行くにつれてレンズの端です。だいたいという理由は、メーカーごとにこの基準値や試験方法が違うので「メーカーを越えて比較できない」という意味でだいたいの指標です。一概にMTF曲線で表せないレンズの性格もあるので、MTF曲線は自己満足の世界になることが多いのですが…、でもやはり知っておいて損はないですね。

  • レンズの中央は描写力が高い。
  • レンズの端に行くほど描写は落ちる。

この程度の指標にはなります。これから選ぶレンズの傾向を知るのに役立つ情報です。でも他と比較しすぎて(特にお高いレンズと比べて)凹まないようにご注意ください(;´∀`)。もし、グラフの線が上部にピタッと吸い付いている様なレンズであればドヤ顔しましょう!

まとめ。

空前絶後の長文にお付き合い頂きありがとうございます。まとめましょう…。

  • 焦点距離選びは重要。(前回記事)
  • ズームレンズか?単焦点レンズか?(前回記事)
  • F値選びは、選択肢選びです。
  • 自分に合った大きさ・重さを選びましょう。
  • から入りましょう!
  • 手振れ補正はマストです。
  • スイッチあったらラッキー。
  • 絞り羽の枚数をチェック。
  • 収差はあるものです。
  • MTF曲線を見てニヤニヤしましょう。

長い!…本当に最後までお付き合い頂きありがとうございます。お役に立てましたら本望です。最後に(カメラ沼・レンズ沼で散財しまくった私にとって)個人的に刺さった講座の動画を下に貼っておきます。30分ありますからね(笑)。お時間ある時にどうぞ。きっと役に立ちます。あぁ、写真を始める前にこれを知っておきたかった…!レンズ沼にハマらない写真術です。

さぁ、買うレンズは決まりましたか!? いよいよ写真ライフのデビューでしょうか!? きっと楽しい時間になるでしょう!  ようこそ、写真の世界へ! 楽しみましょう~!

※カメラ編もよかったらどうぞ↓↓↓(長文ですけどっ)